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なぜ返金保証サービスは企業で採用されるのか?購買における消費者のリスクとは

[fa icon="calendar"] 2014.04.14 / by 佐藤 寛丈

 トピックス: 考え方, 事例

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「ご満足いただけなければ、全額返金いたします。」
「効果を実感できなければ返品OK!」

いわゆる返金・返品保証サービスを切り口とした広告メッセージを目にする機会って増えましたよね。

「買ってから選ぶ」で有名な靴とファッションの通販サイト「ロコンド」やニキビケア用品通販の「プロアクティブ」など大手通販会社をはじめ、小規模のネット通販会社や通販業態でなくてもリフォームといった比較的単価の高い商品を取り扱う会社など、さまざまな業界で採用されるケースが増えてきています。

最近だと、スーパー大手の西友が、今年4月から野菜や肉、魚介類の生鮮食品で、顧客が満足しなければ全額返金サービスを始めるということで話題になりましたね。

※西友、生鮮品全品「不満なら全額返金」4月から | 日本経済新聞

すごく思い切ったサービスですが、記事によると、西友の親会社である米国ウォルマートがすでに欧米のスーパーで同様のサービスを展開中で、「一時的に返金が増えたが、結果的に売上高も利益も向上した」という実績が出ているそうなので、きっと日本でも十分効果に期待ができると踏んでのサービス導入なんでしょうね。

さて、本題に移りたいと思います。

返品・返金保証サービスを取り入れる企業って、なぜこんなにも多いのでしょうか?

サービスを導入するにあたって生じる返金や返品にかかるコストアップのリスクや苦情対応などのリスクよりも、売上に対する貢献度のほうが大きいということが一番の理由だと思いますが、今回は、もう少し踏み込みこんで購買における消費者側の心理からこのサービスを導入する意味について考えてみたいと思います。

消費者リスクを軽減してくれる返品・返金保証サービス

人が商品を知り、購入という行動を移すまでには、心の中でいくつもの変化や葛藤がありますが、最後の最後で「購入しようか、やっぱりやめようか」と迷っているときにポンと背中を押してくれるのが、この返品・返金保証サービスといっていいと思います。

例えば、広告やウェブサイト、クチコミなんかを見て、商品に対する理解が深まり、だんだん欲しくなってきたとします。「よし、買おう!」と心の中で思う一方で、「もしかしたら失敗するかもしれない。」「本当に買ってみても大丈夫なのか?」といった不安がよぎり、購入を躊躇する場合ってありますよね。

当然といえば当然ですが、「この商品は本当に良いものなのか」「購入することは正しい選択なのか」は、実際に商品を購入して使ってみるまでは、知ることはできないですよね。

これは消費者が購入することにおいてリスクが残っているということです。 このリスクを企業側で負担することによって、購入へと後押しをするのが、返品・返金保証サービスが意味する大きなところだといえます。

簡単にいえば、「失敗だったとしても返金ができるし、だったら買ってみようかな」といったところですね。また、返品・返金保証サービスは、「商品によほど自信がないと出来ないだろう」と消費者は感じとるため、商品に対する信頼感をアップさせるといった意味でも効果的ですよね。

そもそも、人はできるだけリスクを避けようとする生き物だといわれています。この返品・返金保証サービスにしても、「もし失敗したらどうしよう」といった購入における消費者側のリスクを解消する情報が入っています。

消費者のリスクを軽減するための情報やサービスをいかに提供するのかが、反応率アップへの鍵を握ると考えられます。

購入において消費者が抱えるリスクを解消する情報が重要

人はリスクを避ける生き物だということを先ほどお伝えしましたが、それでは消費者にとって購入におけるリスクとは、どんなものがあるのでしょうか。ブランド論の第一人者として知られるケビン・レーン・ケラー著書「戦略的ブランド・マネジメント」に、購買行動における消費者リスクの指標があり、大変参考になります。以下抜粋します。

【購買行動における消費者のリスク】
・機能的リスク…購買した製品が、購入者の期待した機能をはたさない
・身体的リスク…購入した製品が、使用者や周囲の人々の健康や身体に危害を加える
・金銭的リスク…購入した製品が提供する価値が、支払った価格に見合わない
・社会的リスク…購入した製品が、社会的な迷惑をもたらす
・心理的リスク…購入した製品が、使用者の精神・心理に悪影響を及ぼす
・時間的リスク…選択の失敗などにより他製品を探索するという機会費用が発生する

このような購入において消費者が抱えるリスクに対して、企業側は何らかの解決するための情報をあらかじめ用意するのか、用意しないかで消費者の反応は大きく変わってくると考えられます。

例えば、あるダイエット食品を買おうか迷ってる消費者がいて、「効果は良さそうだけど、副作用ってないのかな?」といった身体的リスクで悩んでいるとすると、そのリスクを解消するための情報を提供しなければ、購入には当然結びつきませんよね。

購入において消費者が抱えるリスクにどんなものあるのか知っておくこと。そして、自社の商品ではどのようなリスクがあって、そのリスクを解消していくための情報として、どんなものが提供できるのかを考えることは、販促の反応率を高めるうえで、大切な視点になるのではないでしょうか。

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佐藤 寛丈

著者: 佐藤 寛丈

岡山県生まれ。岡山大学卒。大学卒業後、プログラム開発、人材コーディネーターを経て、2009年に大和広告入社。 大和広告では、プランニング、PPC運用を担当。またイベント企画運営などにも携わる。さまざまなマーケティング手法に触れる中、根幹である人間心理の理解こそがもっとも重要と感じ、現在、心理学を勉強中。趣味は料理。

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