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訴求ポイントを再編集して新たなニーズを創り出そう

[fa icon="calendar"] 2014.04.29 / by 櫛桁 一博

 トピックス: 考え方, 販促物

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40代にもなると、「加齢臭」というキーワードに敏感に反応します。

先日、日本を代表する某日用品メーカーが同社の除菌消臭剤ブランドに「男性向け」の商品を投入したというニュースをキャッチ。従来の除菌消臭剤とは一線を画した、漢心(おとこごころ)をくすぐる漆黒のパッケージと、スタイリッシュなテレビCMにビビッと反応した私は、奥さんに購入を依頼。

しかし数日後、渡されたものは、同じブランドながら似ても似つかぬ青と白のさわやかパッケージ。聞けば、訪れたドラッグストアでは黒いパッケージの商品を販売していなかったとのこと。

漢として、青と白のさわやかパッケージでは到底納得できません。不満げな奥さんの視線を背中に感じつつ、自ら別のドラッグストアへ赴き、黒いボディの憎い奴を無事ゲット。夜な夜な「漢」専用の除菌消臭剤を嬉々として使っていました。

しかし、心の隅で疑心が頭をもたげます。

「男性向けと謳っているが、これまでの商品とどう違う?」
「いやいや、男性特有の臭いに特化してるに違いない。いやしかし…」

メーカーのウェブサイトで商品ページを調べてみたところ、その中身に大きな違いは見当たりません。これには奥さんもほとほと呆れ顔。皆さんも除菌消臭剤をお買い求めの際には、十分気をつけてください。

...と、今回はそんな話ではありません。
むしろそこに反応率アップ・売上アップに活かせるヒントがあるという話をしたいと思います。

切り口を変えて、異なるターゲットを振り向かせる!

いろいろ書きましたが、中身が同じものを切り口を変えて訴求することは、私自身は全然アリだと思っています。それは、今までその商品やサービスの「価値」に気づけていなかった人に、その「価値」を伝える、という意味においてですが。

前回の記事でも書きましたが、いくらその商品やサービスが優れたものであっても、消費者は「自分に関係あるもの」にしか反応しません。
私も除菌消臭剤のことを知っていましたし、実際に使ってもいましたが、自分にはそれほど関係のない商品で、自ら購入しようなんて考えたことはありませんでした。
しかし今回、除菌消臭剤としては違和感さえ抱かせるような黒のパッケージとテレビCMを「きっかけ」として、商品に興味を持ち、最終的に購入に至っています。

既存の商品とこの男性用の商品、訴求ポイントも少し異なっています。
これまでの商品は、おすすめの使い方として

  • 汗のしみついた寝具(おねしょのニオイにも)
  • 洗いにくいもの
  • 生乾きの洗濯物
  • スーツ・ジャケット・制服

といったように、どちらかといえば「お母さん」的な視点での使い方を訴求していました。

それに対し、今回の男性用は

  • 汗のしみついたスーツ・制服
  • 汗のしみついた寝具
  • スポーツ用品
  • 汗のにおいが気になる空間(玄関・部屋・ロッカー)

など、男性のニーズに応える訴求ポイントとなっています。CMでもそのあたりをうまく表現していました。

「パッケージとテレビCMにビビッと反応した」と書きましたが、それは商品の訴求ポイントに「そうそう、そうなんだよね」と共感し潜在的なニーズに気づいて、その商品が「他人ごと」から「自分ごと」になったということです。結果、その商品を自ら購入し、毎日スプレーをすることが習慣になりました。

消費者へのアプローチを変えることで、その商品の効果・効能を何となくは知っていても自分には関係ないと思っていた人に、その商品の価値が伝わったということなのです。

あなたの商品やサービスにも応用してみましょう

もしかしたら、あなたの商品やサービスも切り口を変えて訴求することで、新たな需要を創り出すことが出来るかもしれません。

一例として、女性の参加人口が圧倒的に多い茶道教室、ちょっと切り口を変えて「男性限定!ビジネスマンのための茶道入門」という講座があったとしたらいかがですか?例えばこんな感じで。

今でこそ、女性の習い事というイメージの強い茶道ですが、かつては支配階級、知識階級における嗜みであり、戦国大名を始めとする時の権力者たちもこぞって傾倒したという男性の社交場でした。
明日は命が無いかもしれないという緊張感の中、武将たちは茶の湯を通してリラックス、リフレッシュをし、心の充実を得ていたと言われています。
そんな武将たちの姿は、ビジネスの第一線で活躍する現代のビジネスパーソンにも相通じるものがあるのではないでしょうか?
戦国武将たちの生き様に想いを馳せつつ、あなたも静謐な空間で心の充実を感じてみませんか?
茶席で磨かれる洗練された立ち居振る舞いは、ビジネスマンのマナーとしてもきっと役にたつことでしょう。
お茶の作法以外にも、今注目を浴びる茶道具の美についても学んでいきます。
戦国武将たちを魅了してやまなかった「侘び寂び」の文化にあなたも触れてみてください。

なんて書かれていたら、茶道に興味がなかった男性の方もちょっと話を聞いてみたいと思いませんか?

講座の内容は同じでも「女子力アップの習い事」ではなく、「男性ビジネスマンの社交場」という切り口で紹介をすることで、新たなマーケットが生まれる可能性が見えてきます。

まとめ

あなたの提供する商品やサービスを自分には関係ないものと感じている人に「自分ごと」として感じてもらえるような、これまでとは違う切り口で訴求できないか、考えてみましょう。
中身は変えなくても、ターゲットを変え、訴求ポイントや訴求の仕方をそのターゲットに合わせたものに変えることで、今までその商品をさほど気にしていなかった人の反応を引き出し、マーケットを広げることができるかもしれません。

ただ、闇雲にいろんなターゲットに訴求してみても、振り向いてもらうことは難しいでしょう。そこにニーズが存在していて、自分たちの商品やサービスがマッチしているかどうか、しっかり見極めることが必要です。
そのためには世の中のトレンドに対して目を光らせ、そこに自分たちの商品やサービスをうまく結びつけられないか、お客様が感じている不安・不満・不便を自分たちの商品やサービスでうまく解消することができないか、常に考え続けることが大切です。

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櫛桁 一博

著者: 櫛桁 一博

株式会社大和広告 クリエイティブユニット 統括リーダー 長崎県生まれ、宮崎県育ち。大学卒業後、熊本の経理事務所、福岡の印刷会社を経て現職。絶賛北上中。広告、DMなどのアナログ領域からオンライン・デジタル領域まで、お客様のマーケティング活動を支援。趣味は読書。好きな作家は奥田英朗。

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