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ぜひ知っておきたい、反応率を変える「色づかい」とは

[fa icon="calendar"] 2014.05.21 / by 大澤 元裕

 トピックス: 考え方, まとめ

5月に入り、今年はじめての登山に行ってきました。深緑の山があざやかな黄緑色へ変化し、「今年もまた、新緑の季節がやって来たなぁ」と感じるこの頃です。昔は桜の季節のほうが好きでしたが、今はこの時期のほうが好きですねぇ。最近は季節だけでなく、「好きな色」も変わったように感じます。理由はいろいろあると思いますが。

そこで、今回は広告や販促物に使われている「色づかい」をテーマに考えてみたいと思います。

多くの人に「好まれる色」とは

『"よい色"の科学 なぜ,その色に決めたのか』によると、人が認識できる色は187万5000色〜750万色もあるそうです。私たちの目が、無意識とはいえこんなにも認識できているなんてビックリです。年齢別にみると、幼児は赤が好きで、年を重ねるほど青が受け入れやすくなるんだそうです。そう言われてみると、小さい頃は赤や黄色のおもちゃで遊んでいたのが、いつの間にか青のモノが好きで周りに増えていったような・・・。私も例外ではなかったようです。

それから、高齢者になると強烈な光や色が目に入るのを守るため、青が好まれるのではないかという研究も。青に限ったことではありませんが、「最近、好きな色が昔と変わったような気がする」と感じている方。冒頭で私自身の好きな色の変化について触れましたが、気持ちや環境の変化だけでなく、自分にとってやさしい色を知らず知らずのうちに選んで、目を守っていることが要因の一つかもしれませんね。

人の目の特徵に触れたところで、次は多くの人に「好まれる色」について。

日本人の好みの色を把握する上で、とっても面白い事例を見つけたのでご紹介しておきます。色見本・配色デザインのサンプルについて取り上げている色カラーでは、年間を通して好きな色についてのアンケートが行われています(年齢によるアンケート人数にバラつきはありますが)。

2014年4月の調査状況で、好きな色の数から嫌いな色の数を引いた数値を見てみると

第1位・・・青色(水色も含む)
第2位・・・緑色
第3位・・・赤色

「光の三原色」が上位を占め、とくに青色や水色は「好まれる色」として人気が高いようです。最近では、好きな色の上位にピンクが入ることも多いようですが、好きな色と嫌いな色がほぼ同数という特徴もあり、万人に「好まれる色」とはいえないようです。

ほかにも面白い点があって、この順位は世界のいろいろな機関が調査しても、ほとんど変わらないのだそうです(2位と3位が入れ替わる程度)。育った環境や文化も違うはずなのに、「好まれる色」の傾向がほぼ一緒だなんて不思議ですね。

好まれる色の順位

 

実は、「最も好まれる色の組み合わせ」が存在する?

「好まれる色」の傾向がわかったところで、今度は「好まれる2つの色の組み合わせ」について。

今からちょうど100年前のことです。広告と消費者心理について確信を得た考察した心理学者であるダニエル・スターチが、好まれる色の組み合わせについて調査を行っています(ダニエル・スターチ原著 1917『広告の理論と実際』郡山幸男 訳 佐藤出版部)。その調査結果をみてみると

第1位・・・青色と黄色
第2位・・・青色と赤色
第3位・・・赤色と緑色

となっています。この上位3位についても、「好まれる色」の上位色が基本になっていることがわかります。街中や生活の中でよく見かける企業のロゴマークを事例にとってみると、

青色と黄色の組み合わせ・・・Tポイント明光義塾GU など
青色と赤色の組み合わせ・・・ペプシテレビ東京 など
赤色と緑色の組み合わせ・・・セブン&アイホールディングス など

各社の業態やイメージ戦略がバックヤードにあるとは思いますが、実は一般の人やエンドユーザーに「好まれる色」の組み合わせを意図的に取り入れた配色なんです。弊社のロゴマークも例外ではありません(青色と赤色)。それにしても、すでに100年前に「好まれる色の組み合わせ」まで研究されていたことに、正直驚いてしまいました。

20140507メイン画像

 

カラー広告とモノクロ広告、反応率が高いのは?

さて世の中には、小さなサイズのモノクロ新聞広告もあれば、屋外の巨大なカラー看板などさまざまな広告であふれています。ただ、カラー広告とモノクロ広告を比べてみて、どちらが反応率が高いのか。「たぶん、カラーの方が印刷費用も高いので反応率も高いのではないか?」と、漠然と考える人も多いかと思います。日頃、広告や販促物のデザインにたずさわっている、私もそうでした。でも、実際のところどうなのでしょうか?

ダニエル・スターチが設立した広告調査機関であるスターチ・リサーチ社によると、以下のような調査結果になったそうです。

カラー広告は、モノクロ広告に比べて、丁寧に読む人が60%多い。
カラー広告は、2色広告に比べ、丁寧に読む人が40%多い。

調査概要やアンケート人数は把握できていませんが、今まで自社の広告や販促物をモノクロで作っていたかものを2色印刷へ、2色印刷を4色印刷(フルカラー)へ変えることで、丁寧に読んでもらえる確率がアップするということなんです。

とはいっても、広告や販促物を目にするターゲットが明確になっているか、お客さんにとってのメリットが分かりやすくなっているか、商品自体に魅力があるかなど、読み手や買い手にとって興味深い内容に仕上がっているかどうかが重要で、「カラー広告」にするとより反応率があがりやすくなると考えるべきでしょう。

商品イメージに合うかどうかは別として、「好まれる色」や「好まれる2つの色の組み合わせ」をうまく利用したカラーデザインを取り入れてみたり、予算との兼ね合いを考えながら、現在連載している新聞広告がモノクロでよいのかどうか、折込チラシが1色印刷や2色印刷でよいのかどうかなど、「カラーという視点」から既存の広告や販促物を見なおすきっかけにしていただければ幸いです。

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大澤 元裕

著者: 大澤 元裕

株式会社大和広告 クリエイティブユニット グラフィックディレクター兼デザイナー 広島県福山市出身。高校を卒業して大学進学をきっかけに、九州で11年間過ごす。その後、地元へ戻り、デザイン会社を経て、2011年に大和広告へ入社。社内では、クリエイティブユニットの一員として、広告物全般のデザインを担当。また国内の公募コンペでは、グラフィック、テキスタイル(図案)、CIロゴおよびタイポグラフィ、新聞広告、キャッチコピーなどで多数受賞歴あり。趣味は山登りだが、一人娘が大きくなるまでの間、再開を見送っている。

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