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「写真の効力」を利用して、反応率を高めるためには

[fa icon="calendar"] Jul 31, 2014 6:27:00 AM / by 大澤 元裕

 トピックス: 考え方, テクニック

子どもが生まれたのをきっかけに、デジタル一眼レフカメラを購入したという同級生。「コンパクトデジカメとは、やっぱり画質が違うなぁ!!」としみじみ語っていました。お値段もずいぶん違いますから、当然といえば当然ですが。カメラに詳しくない人でも、子どもの成長をキレイな画質で残しておきたいと思っている方は、きっと多いのでしょう。デジタルビデオカメラやスマートフォンで、手軽に「動画」を撮影できる時代。それでも「一瞬の空気感」を切り取ることができる写真は、時代に関係なく魅力なんでしょうね。

そこで、今回は広告や販促物にみる「写真の効力」をテーマにしてみたいとおもいます。

なぜ、広告や販促物には「写真が必要なのか?」

私たちは生活の中で、写真の入った広告や販促物を目にする機会は多いとおもいます。ただ、写真の有無によってどんな違いがあるのか、意外と知られていません。なぜ、広告や販促物に写真が必要なのか、実はよくわからないというのが一般論かもしれないですね。

アメリカの調査実務家エルモ・ローパーの意思を引きつぐローパー・スターチ・ワールドワイド社(Roper Starch Worldwide Company)による調査報告を参考にしてみたいとおもいます。この調査は2,000人の消費者を対象とし、あらゆる業種の新聞広告(650件)についてのアンケートで、以下のような結果が出たそうです。

最も読み手を引きつけ、見ずにはいられなくする視覚表現は、(イラストやその他のグラフィック表現ではなく)「写真」である。

商品(の写真)が入っている広告は、入っていない広告に比べて読み手を引きつける頻度が13%高い。

写真やイラストなどのグラフィック要素が50%を占める広告は、まったくない広告に比べて見たりおもい出したりする度合いが30%高い。

写真やイラストなどのグラフィック要素が10個以上ある広告は、これより少ないかあるいはまったくない広告に比べて、注目度が55%、読まれる可能性が70%高くなる。

上記のように具体的な数値で証明されると、広告や販促物で「写真」がいかに大きな役割を果たしているかに気づかされます。

余談ですが、以前私が書いたコラムの「書体えらび」や「色づかい」も絡めて、広い意味での視覚表現について、ふと考えてみました。「もしも、書体えらびを間違え、色彩表現も乏しく、写真など視覚表現もまったくない広告や販促物になってしまったら!?」。読み手や買い手を著しく失ってしまうおそれがあるのではないかと。まぁ、もしそんな広告や販促物を私が作ってしまったら、デザイン担当としてクライアントの方からかなりお叱りを受けるとはおもいますが・・・(汗)。

実は順位がある!? 「人に好まれる写真」とは

さて、話を戻します。広告や販促物での写真の必要性がわかったところで、商品の写真以外にどんな写真をえらんで使用したらよいのでしょうか?

アメリカ・ワシントンに本拠地をおく、世論調査のパイオニアであるギャラップ社が、テキサス州キンバリークラーク社の依頼を受け、新聞の日曜版を読む30,000人近い購読者を対象に行った有名なアンケート調査が参考になるかとおもいます。

その調査報告によると、新聞購読者は以下のような写真を好むことがわかったのだそうです。

第1位・・・子どもと赤ちゃん
第2位・・・母親と赤ちゃん
第3位・・・大人のグループ
第4位・・・動物
第5位・・・スポーツシーン
第6位・・・有名人
第7位・・・食べ物

アメリカの新聞購読者という限定的な調査のため、この順位のまま日本でも同じような結果となるかは不明です。ただ、もうお気づきかもしれませんが、人に好まれる写真には以下のような傾向があるんじゃないかと思うわけです。

好まれる写真とは


「人の目を引く写真」を、うまく利用するコツとは

先ほど登場した第1〜7位の写真は、人物写真が5つ、動物と静物(食べ物)写真が1つずつとなっています。つまり、人が反応しやすい写真の種類をおおまかに順位づけしてみると、

第1位・・・人物写真
第2位・・・動物写真
第3位・・・静物写真(食べ物を含む)
第4位・・・風景写真(建物を含む)

になっているようです。そう考えてみると、キレイな風景写真の中に人物がさり気なく写りこんでいると、知らず知らずのうちに視線がそちらにいってしまうことがあります。「人が人物写真に反応する」のは、本能的なことなのかもしれませんね。

人物写真にもいろいろありますが、特定の部位に反応するという研究も。アメリカの広告業界で58年間も活躍し続け、伝説のコピーライターと呼ばれるジョン・ケープルズは、『ザ・コピーライティング 心の琴線にふれる言葉の法則』(ジョン・ケープルズ原著、神田昌典監訳、ダイヤモンド社)の中で、「(広告において)コピーが長くてビジュアルのスペースが少ししかない場合、そこに入るもので何よりも目を引くのは、人の顔(写真)だ」としています。裏を返せば、目を引く「人の顔」の写真近くにある文章は、ほかの箇所よりも読まれる可能性が極めて高いということなんです。

例えば、自社をより良くアピールするための販促ツール、『会社案内』で考えてみましょう。

表紙を開いて、最初の見開きページ(導入ページ)を見ると、背景写真には新しい工場内やメイン機械がレイアウトされ、端のほうには社長さんの小さな顔写真とあいさつ文。そんな会社案内って、意外と多いのではないでしょうか。でも、ここが最初に読む人の目を引きつけるポイントということなんです。「もっといい写真があったのでは?」と思うような表情であったり、単なる会社の歴史やあいさつ文で終わっているものも。自社の言いたいことではなく、社長さんの「ストレートな気持ち」や「企業としての確固たる信念」など、読む人にとって心に響く「メッセージ性の高い文章」にすることが理想です。それと、最初に目を引く部分なので、社長さんのイケてる、上質な写真がいいに決まっています。社会心理学の「第一印象で、相手に対するすべての印象がほぼ決まってしまう」という考えを応用すれば、広告や販促物に掲載する顔写真も同じように捉えるべきかもしれませんね。

今回の結論として、自社の広告や販促物をつくる際には、写真など「視覚表現」を多く使うべきということなんです。また大切なのは、「どんな写真が読み手に好まれるのか」という視点で写真えらびをすること。さらに、チラシやDMであれば、ご愛用者の「顔写真」近くに、読み手に響く文章を入れることで、いつも以上に丁寧に読んでもらえるようになり、自然と反応率アップにつながっていくのではないかとおもいます。

※ローパー・スターチ・ワールドワイド社およびギャラップ社の調査結果ついては、ドルー・エリック・ホイットマン著『現代広告の心理技術101』ダイレクト出版を参考。

大澤 元裕

著者: 大澤 元裕

株式会社大和広告 クリエイティブユニット グラフィックディレクター兼デザイナー 広島県福山市出身。高校を卒業して大学進学をきっかけに、九州で11年間過ごす。その後、地元へ戻り、デザイン会社を経て、2011年に大和広告へ入社。社内では、クリエイティブユニットの一員として、広告物全般のデザインを担当。また国内の公募コンペでは、グラフィック、テキスタイル(図案)、CIロゴおよびタイポグラフィ、新聞広告、キャッチコピーなどで多数受賞歴あり。趣味は山登りだが、一人娘が大きくなるまでの間、再開を見送っている。

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