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ad:tech tokyo 2014に参加して考えた、コンテンツをターゲットに届ける時に押さえておきたい3つの視点

[fa icon="calendar"] 2014.10.01 / by 藤井 克成

 トピックス: カンファレンス

今年も行ってきましたad:tech tokyo。(去年の記事はこちら

adtech-tokyo-2014

いつも思うんですが、こういう大規模なカンファレンスで話を聞く事は、広告会社の一員としてすごく勉強になります。広告やテクノロジーのトレンドを学ぶだけでなく、各業界第一線で活躍する様々な人の考え方が、会場の雰囲気と一緒に伝わってきて、体で覚えるという感じ。

ここで得たものを、このブログやお仕事で少しでも還元できるようがんばります!

 

「コンテンツの質」と「コンテンツを届ける視点」

今回のad:techで私が参加したセッションでは、お客様視点のコンテンツをコツコツたくさん作っていったり、見込み客と長期的な関係を作っていくような話はあまりなくて、「笑えるバズコンテンツ」や「最新テクノロジーを使った心動かす企画」など、「一気に多くの注目を集める質の高いコンテンツ」をどうやって作っていくかという話が多かったように感じました。

自分なりにこの理由を解釈してみました。

・情報がますます増えていっている上に、人々の情報接触デバイスがPCからスマホへシフトしている。
  ↓
・コンテンツはよりコンパクトに、見るかどうかの判断はより短くなってきている。
  ↓
・「より尖ったコンテンツ」や「よりわかりやすい価値」でないと、人々はなかなか動かなくなってきている。
  ↓
・最終的に「コンテンツの質」が求められてしまう。

もちろん、コンテンツの質を高めていく事は当たり前に重要ですが、ネットで話題になって勝手に大量のアクセスが集まるようなコンテンツを作る事は、どこの企業もそう簡単にできることではありません。

ただ特にWebコンテンツの場合「コンテンツを作って公開する」だけでは、なかなか見てもらいにくくなってきているのは確か。

ですので、「コンテンツをどうやって届けるか?」ということはどんな企業でも考えていかなければいけない重要な事だと思いました。

このブログで私は「いかに検索され見つけてもらえるコンテンツをつくるか」という、SEO視点でのコンテンツマーケティングのテクニックを多く書いてきましたが、いくら特定のキーワードで上位に表示されても、そもそもニーズが顕在化していない人にはコンテンツを見つけてもらう手段がありません。

なので、今回はいつか見つけてくれる人のためのSEO的なコンテンツづくりの視点は踏まえた上で、作ったコンテンツを必要としてくれている人へ「届ける」という施策について、ad:techで得た気付きをまとめてみます。

 

コンテンツが届きやすい条件とは?

じっくり読む時間がない人のために結論から書きます。
コンテンツを届け、見てもらうために考えるべき条件は以下の3つのポイントだと思います。

  • 1 有益性(役に立つかどうか)
  • 2 受動性(コンテンツに触れるときに相手が受動的かどうか)
  • 3 関係性(それまでに接触や認知があるかどうか)

1の有益性については、コンテンツマーケティングの基本としてよく語られますが、内容として役に立つかどうかだけでなく、届ける瞬間に相手の欲している情報かどうかということで、2の受動性と合わせてこのad:techで気付きを得ました。

例えば、9/17の基調講演で、Kiipという企業のCEO Brianさん(なんと大学を18歳で卒業し現在23歳!)は「人々の振る舞いを無理矢理変えようとするのではなく、既にやっている事を邪魔せず情報を提供することが大切」と話していました。

Kiipという企業はアプリやゲーム内でのユーザーの行動に対してリワード(報酬)を提供する、モバイル・リワード・ネットワークを構築しているらしいのですが、ユーザーが行動の中で感情が動いた瞬間(講演ではモーメントと呼んでいました)はその行動や感情に関連した情報が受け入れられやすいとのこと。

ガソリンが切れそうになる前、難しいゲームをクリアした時、スポーツをした後などの瞬間は関連情報に対して受動的になっていて、そこをテクノロジーでキャッチし、最適な情報(報酬)を与える仕組みができれば、確かに情報は届きやすそうですよね。

リクルートとFacebookの方が登壇した「2つのビッグデータカンパニーが拓くデジタル広告の可能性」というセッションでも同じようなアプローチが語られていました。

ちょうどこの日(9/17)に発表されたようですが、リクルートはFacebookと連携してソーシャルメディアに置ける広告配信について共同研究する機関を立ち上げたようです。

セッション内のスライドでは「ちょうど良い情報が、ちょうど良いタイミングで、あなたのフィードで。セレンディピティ溢れる世界」というキャッチコピーで紹介されていました。

具体的な話もちょこっと出たのですが、Facebookとリクルートのデータをつなげる事で、一次会が終わった直後に二次会におすすめの近くのお店を幹事にプッシュできるようになるとのこと。

相手の行動に合わせた有益な情報(二次会のおすすめ)を、一次会が終わった直後と言うベストなタイミングで届ければ、受け入れられやすいのは明確です。

これはFacebookイベントの情報とホットペッパーの情報をつなげた例ですが、できるだけユーザーの行動を邪魔しないタイミングで情報を届ける事ができるという点で、先程の基調講演の話と同じだと感じました。

受動性に関しては、よく考えれば、メール送付の時間帯を最適化する事や、夏にうちわに広告を載せて配るという事も、相手に受け入れられやすくするという点で同じですね。

 

コンテンツを届ける前にやっておくべき関係性の構築

3番目に示した「関係性」については、テクノロジーとは少し離れてしまいますが、これだけ多くの情報が溢れてしまうと、相対的に近しい人からの情報が重要になってくるというお話。

ソーシャルメディア時代のネットニュースの可能性」というセッションで、キュレーションメディアやバイラルメディアの運営に携わる方々が、今後のネットニュースの在り方について最後に意見を求められた際に以下のようなことを言っていました。

「バイラルメディアはFacebookに依存しているし、多くの同じようなメディアがあるのでユーザーを伸ばすのはもう限界に近づいてきている。」

「ユーザーは今後も常にニュースメディアなどで新しい事を求めていくのではなく、自分の親しい人の情報を求めるなどの揺り戻しが出てくるのではないか?」

確かに、最近は個人的にGunocyやSmartNewsなどのキュレーションメディアより、FacebookやTwitterで知っている人がシェアしている情報の方がよく見に行くなあと共感しました。

私たちイマジナクトラボが地元福山でセミナーや勉強会をやっていることで、参加者と関係性が構築でき、ブログ記事などのオンラインコンテンツも読まれやすくなっているのは間違いないと思いますし、いくらビッグデータテクノロジーがすすんでも、「人」を介しての情報接触はむしろ重要性が増してくるのではないでしょうか。

ユーチューバーは新時代のデジタルインフルエンサーなのか?」というセッションで、日本初のユーチューバーマネジメント企業uuum(ウーム)株式会社の鎌田さんは「Youtubeは基本的に10代の若い層が多いが、ジェットダイスケは40〜50代、レオンチャンネルは未就学児など、ユーチューバーによって視聴している層はかなり違う」と言われていました。

結局今後は「媒体」を選ぶのではなく、「発信者」を選ぶようになってくることから、オンラインで情報発信する「人」を介してのPRや広告企画などはもっと増えてくるのではないかと思います。

また、「地域内での交流」や「人脈づくり」などのリアルの場での関係性構築は、ビジネス上誰でもやっている事だと思いますので、ソーシャルメディアなどもフル活用して、できるだけ多くの良好な関係性を作っておく事で、よりコンテンツは届けやすくなると感じました。

 

コンテンツを「無理矢理見せる」ことと「届ける」ことの境界線

勘違いしてはいけないのが、ここで言う「届ける」という意味は、従来のプッシュ広告的な相手の行動や考えを無視して「無理矢理見せる」という意味ではなく、相手の情報接触行動を理解して、その中で邪魔しないようコンテンツを「掲出する」というイメージです。

ただ、いくら上記のポイントに考慮してコンテンツを届けても、そのターゲットの心の中や機嫌まではわかりません。先程出した1次会後の2次会情報の例をとっても、もしかしたら既に幹事は2次会の会場を予約していて、情報が邪魔になってしまう可能性もあります。

つまり、相手の行動に合わせて届けると言っても、どうしても仮説の限界はあり、邪魔と思われるリスクも伴います。

ターゲット側がその情報を欲しいと思ってから、検索などでコンテンツを見つけてもらうのが一番見てもらいやすいということを押さえることがまず重要。

その上で、コンテンツを届ける際には、先に挙げたポイントを考えてリスクを減らし、ターゲットの反応やコンテンツに触れた後の行動も慎重にチェックしながら次の戦略を考えるようにすべきだと思います。

 

地方はもっと積極的に!

最後に「地方都市からのイノベーション:IT業界が地方企業を活性化させる」というセッションで語られていたことが気になったので触れておきます。

そのセッションでは、地方活性化をテーマに、地方でのIT活用成功事例や地方の現場の問題点などが語られていましたが、以下のような言葉が印象に残りました。

「日本は世界的にも課題先進国。特に地方は課題だらけ。ということは逆にチャンスだらけでもある。世界で誰も解決した事のない課題に取り組める。」

「資源は豊富にあるが、なかなか自分でやるという人がいない。もっと攻めてもいいんじゃないか?」

「危機感と必要性がないからと、何も新しい事をしなかったら、グローバル企業に全部持ってかれちゃう。」

「支援企業もチラシの効果を超える説得力のある提案をもっとしていくべき。」

「コンテンツを届ける」ことだけに限りませんが、私たち支援企業も、地元の企業のためにもっとがんばらないといけないなと感じました。

最初にも触れましたが、今回ad:techで得たことを、今後の仕事を通じて活かしていきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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藤井 克成

著者: 藤井 克成

大和広告ではクリエイティブユニットとして、印刷物やWEBのデザインを担当。またイマジナクトラボ研究員として、デジタルを中心としたマーケティングを研究し、イベント企画運営やコンテンツ制作にも携わっている。マーケティング、ソーシャル、デザイン、アート、デジタル、教育に興味あり。

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